社内問い合わせ対応のチャットボットを半年で全社展開! ChatGPT連携を視野にDX推進のキーツールとして、部署単位での導入・活用も促進

株式会社プロテリアル 情報システム本部
企画部 デジタル戦略グループ 主任部員 佐藤 康之様
運用開発部 事業系第1システム開発グループ 主任部員 久慈 直樹様
企画部 インフラグループ 主任 石堂 博士様

貴社はどのようなビジネスを展開されていますか?

佐藤様:当社は、2023年1月に日立グループから離脱し、社名を日立金属株式会社から株式会社プロテリアルに変更しました。自動車関連、鉄道・航空機などの産業インフラ関連、IT機器や家電などのエレクトロニクス関連の市場へ、特殊鋼、磁性材料、電線材料などを提供する高機能材料会社になります。
 私は情報システム本部 企画部 デジタル戦略グループで、DXに関わる新しいデジタルツール・サービス導入を担当しています。今回、Chat Plusのチャットボットを活用したOA関連の社内問い合わせ対応システムを2023年1月に全社展開しました。本日は、社内問い合わせ対応チャットボットの立ち上げに関わったプロジェクトの代表者(久慈様、石堂様)が同席しています。

ChatPlusの導入をご検討されたきっかけは?導入前にどのような課題がありましたか?

久慈様:私は工場でシステム関連のとりまとめを担当しています。課題として感じていたのは、本社も工場も、問い合わせにはほぼ人が対応しており、問い合わせの手段も、各拠点で、電話、メール、チャットなどさまざま。無駄な対応工数がかかっていることが課題とシステム部門側では捉えていました。システム部門サイドとしては工数を抑えたい、ユーザーサイドとしては、システム担当へ問合せしないと解決しないということが課題で、そこを解決したいと考えました。例えばシステム担当が1人の工場もあります。そのような拠点だと、担当が休んでしまったら問い合わせ先がなくなってしまうということが起きてしまうので、全社的に対応できる仕組みの必要性を感じていました。
石堂様:全社的なOA関連の問い合わせ対応の仕組みとしては、社内ポータルサイトでユーザーサポートを行っており、システム関連で何か困ったことがあれば、問い合わせするか、FAQページを閲覧していただくことを推奨していました。私が所属するインフラグループでは、どんどんFAQの充実を行っていたのですが、FAQではやはり見てくれる人は見てくれるけど、見てくれない人は見てくれません。なかなか浸透しませんでした
佐藤様:そこで、問い合わせに対し自動応答するチャットボットの導入を検討し始めました。当時、本社と一部拠点でユーザーサポートをセンター化したので、2021年6月にまずはユーザーサポートセンターのWebサイトで、先行してチャットボットの運用を始めてみました。FAQの移植という形でシナリオを作成しましたが、ユーザー利用率も期待以上で「これは使える」という感触がつかめたので、情報システム本部内で、全社展開に取り組むということになりました。

数あるチャットツールの中で、ChatPlusを選択された決め手は?

佐藤様:実は、一旦は採用しようと決定した他社のツールがありました。数社のツールの話を聞いてここにしようと決めて準備を進めていたのですが、そのツールは弊社のセキュリティポリシーを満たすことができませんでした。急遽、再度探し始め、あるメンバーがChatPlusを候補に挙げてきました。Webサイトを見てみたら、大手企業の導入実績が豊富で、ここは安心できるかもしれないというのが、第一印象でした。いろいろ親切に教えていただけ、私たちが想定していたよりリーズナブルな価格セキュリティ要件もクリアでき、さらに利用プランが柔軟だという点も魅力的だったので、ChatPlusに決めました。
石堂様:現場への導入サポートもやっていただける。チャットボットを設置・運営してみたいという担当者それぞれに、教育を施していただけました。そこがとてもありがたかったです。

チャットボットの問い合わせシステムの全社展開は、どのように実現されていったのですか?

久慈様:私たちにはユーザーサポートセンターでの成功事例がありました。基本的にOAの問い合わせは本社でも工場でも関連会社でも共通していることなので、また一から立ち上げるのではなく、ユーザーサポートセンターのチャットボットをブラッシュアップして、全社展開システムを立ち上げようというストーリーになりました。
佐藤様:各拠点で対応の違いがあるので、これは本当に共通化できるのだろうかという不安が非常にありました。ある問い合わせに対し、ユーザーにやってもらうという拠点もあれば、システム部門側のほうでやってあげるという工場もあります。ローカルルールを統一してチャットボットに載せられるのだろうかという課題感はありました
久慈様:その課題をクリアにするため、まずは全国のシステム管理者で意識合わせをしていきました。全社展開システムをユーザーにどう使ってもらうかというのは、工場や各拠点の窓口であるシステム部員に自分事として思ってもらわなければならないので、2022年8月の全社展開プロジェクト発足時に、各拠点のシステム担当から1~2名メンバーに入ってもらい、2023年1月にチャットボットシステムを立ち上げるので一緒にやろうとキックオフミーティングを行いました。
 その後、月2~3回のペースでTeamsを使い、ユーザーサポートセンターのチャットボットのQ&Aを取捨選択して…ということを行っていました。ローカルルールを1つ1つつぶして落とし込むのはすごく大変なので、60点の出来栄えでいいから立ち上げて、その後少しずつ改良していこうという方針にしました。まずは立ち上げて、チャットボットという便利なツールがあるという文化を全社に浸透させて、それからローカルルール対応など中身を良くしていく。だから、現在も月2回、ブラッシュアップ活動として、みんなで集まってチャットボットのシナリオ改善検討会を継続して行っています。月2回の会議を待っていなくても、Teamsの中で「このQ&Aは古いから変えちゃっていい?」と誰かが投げかけて、3~4人が「いい」とリアクションしたら変えてもいい、とそういう運用ルールにしています。ある程度ルールは設けつつ、ガチガチにやるとスピードが遅くなってしまうのでバランスをとりながら運用しています。
 このプロジェクトには全国から35名が入ってくれたのですが、否定的な意見というのはありませんでした。みんなやっぱり問い合わせ対応の工数を減らしたいと感じているので、進む方向は間違っていないとみんな思っていました。そこは旗振り役としてはラクでした。

ChatPlus導入後の効果はいかがでしたか?

久慈様チャットボットへの全体のアクセス数は向上傾向にあり、チャットボットを利用する文化は浸透しつつあることを実感しています。ただ、利用率の高い拠点とまだ利用が進んでいない拠点があると思っています。ChatPlusはBoxと併用することができ、Box側では個人単位でアクセスログがとれ、どの工場の誰がいつアクセスしたかを随時見ていくことで、各拠点での利用度を測ることができます。浸透という面では、まだアクセス数が少ない工場もあるので、そこが次の課題かなと思います。工場だと50歳、60歳代の普段パソコンを触っていない方もいらっしゃいます。そこは、ITに詳しい若手を上手く巻き込みながら浸透させていきたいと考えています。
石堂様チャットボットだと24時間365日対応ができるので、土日や夜間はチャットボットにユーザーサポートを任せてしまえる効果はありました。チャットボット導入で休日出勤や早番・遅番などのシフトは組まなくてもよくなりました。
佐藤様:弊社では、ユーザーから直接システム部門のほうに問い合わせされてしまうとシステム担当者がオーバーワークになる可能性があるため、各部署内にOAリーダーを設置し、ユーザーの問合せはOAリーダーを介して、システム担当者が問い合わせを受け付けるようになっています。チャットボットの導入後、間に入っているOAリーダーの負担がかなり減ったのではないかと思います。OAリーダーの方は、営業や工程管理、エンジニアなどの業務がありますので、本来の業務に専念できるようになったこともチャットボット導入効果の1つだと思います。

今後ChatPlusをこんなふうに使ってみたいというのはございますか?

久慈様:1月に立ち上げたこの全社展開チャットボットを、さらにブラッシュアップして全社へ更に浸透させていくことが最優先です。一方で、このチャットボットはナレッジ共有としても活用できるのではないかと考えています。例えば、私もユーザーから電話の問い合わせを受けることがあります。問い合わせに即答できない場合、すぐにチャットボットを検索して回答を導き出し、「チャットボットのここを見れば分かりますよ」と応答することもあります。チャットボットのナレッジ共有活用は、営業部門や設計部門などでも応用できると思います。
佐藤様ChatPlusはChatGPT連携のサービスも展開しているので、今後、全社展開のチャットボットへ搭載したいと考えています。現在、別のシステムで試験的に運用を開始しようとしている段階で、ChatGPTをつなげて、ユーザーのみなさんがより分かりやすい、回答を導き出しやすいチャットボットにしていきたいと考えています。

最後に、当ホームページをご覧のお客さまへメッセージをお願いします。

佐藤様:弊社では、DX推進とは、ユーザーがデジタルツールを使いこなせる文化を浸透させることだと捉え、情シスの役割は、デジタルツールの導入や活用を支援することだと考えています。私たちの活用支援活動の1つとして、ChatPlusのような業務改革につながる、さまざまなデジタルツールを部署単位で導入し活用してもらえるよう、社内ポータルでデジタルツールの導入の仕方や使い方、他部署での導入事例などを紹介する取り組みを始めました。ChatPlusは現在、工場の総務、本社の総務、工場の取次関連など、計10種のチャットボットが立ち上がっており、活用したいという相談も多数寄せられています。
 ChatPlusはシナリオ型のチャットボットもできますし、ナレッジベースもできますし、チャットでのリアル問い合わせもできます。このようにフルサポートしているチャットツールは世の中にあまりないのではと思っています。なおかつAPIを組み合わせてさまざまな機能を拡張でき、社外向け、社内向けにも活用できます。将来性がフレキシブルに考えられることが大きな魅力。DX推進がなかなか進まないという企業は、話を聞くだけの価値があるツールだと思います。

株式会社プロテリアル 情報システム本部
企画部 デジタル戦略グループ 主任部員 佐藤 康之様
運用開発部 事業系第1システム開発グループ 主任部員 久慈 直樹様
企画部 インフラグループ 主任 石堂 博士様

コーポレートサイト
https://www.proterial.com/

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