AI・bot・RPAは、昨今のビジネスシーンにおいて、さまざまなシチュエーションで活用されています。
AI(人工知能)は、ビッグデータの中から最適な提案をし、処理を繰り返すことで自ら学習していきます。
botは事前にプログラミングされたタスクを自動化し、繰り返し実行するのが特徴です。
RPAは、ホワイトカラー業務を自動化し、単純作業を軽減することで、ほかの業務に当てる時間を確保します。プログラミングなどの専門知識は不要です。
今回は、AI(人工知能)・bot・RPAの違いについて、それぞれの特徴や活用例、導入メリットなどを解説いたします。
目次
AI(人工知能)とは
AI(Artificial Intelligence)=人工知能の定義はさまざまですが、自ら学習するようプログラムされ、人間のように状況に応じた判断ができるのが特徴です。
膨大な量のデータから最適な分析や判断を行い、タスクを実行するたびに学習していきます。
学習の積み重ねによって、人間のように知識の蓄積や能力を発達させ、判断力の精度を高めていきます。
AIの学習方法には、「機械学習」と「ディープラーニング」があります。
機械学習は、「猫」や「犬」などの特徴を定義した学習用データを与え、大量のデータから、質問に応じた適切な答えを導き出します。
ディープラーニングは、さらに高度な学習方法です。
学習用データから特徴を抽出し、幾度も処理を重ねることで、学習させていない複雑な問題に対応できるようになります。
画像や音声、言語など、さまざまな分野の情報を抽出し、人間よりも効率的なタスクの実行・処理が可能です。
また、学習を繰り返すことで人工知能が成長し、現状だけでなく、将来を見据えた分析・提案ができるようになります。
AIの活用例
非常に優れた学習機能を持つAIは、さまざまなシーンでの活用が進んでいます。
たとえば、Google翻訳やスマートスピーカーは、身近なAIの活用例といっていいでしょう。
Google翻訳は、入力したテキストを、選択した言語に翻訳してくれる多言語翻訳機能です。
翻訳の内容が不適切だったり、不満だった場合に送信できるフィードバックを新たなデータとして学習し、精度を高めていきます。
「電気を消して」「音楽を流して」「今月公開の映画は?」など、対話形式の音声操作に対応したスマートスピーカーにもAIが搭載されています。
話しかけられることで新しいデータを収集し、どんどん学習していきます。
医療においても、AIの高い画像認識力を活用し、MRIやCTスキャンの画像診断に活用されています。
患者の検査画像・病理画像データから学習したAIなら、医師が目視で確認する数倍の速さで診断が完了します。
医師がダブルチェックをする際も、時間を大幅に短縮できるため、その分患者と実際に向き合う時間を確保できます。
また、患者の命に関わる見落としや判断ミスを防ぐこともできます。
AI(人工知能)の活用で得られる4つのメリット
AIの活用には、次のようなメリットがあります。
● 蓄積された膨大なデータから最適な分析・判断をしてくれる
● 市場トレンドの変化や顧客ニーズを迅速に察知できる
● 人間よりも正確で効率的なタスク実行力で生産性が高い
● 正確な分析と優秀な情報収集能力で現状を的確に把握し改善できる
自ら学習し成長していくAIは、人が作業するよりも正確に、迅速にタスクを実行してくれます。
使えば使うほど精度を高めていくため、膨大な量のタスクを処理しながらも、判断ミスが許されない状況などに最適です。
botとは
botとは、プログラミングされたタスクや情報処理を自動的に行うアプリケーション、またはプログラムのことです。
人の手で行うと手間や時間がかかる膨大な作業でも、botならスピーディーにこなすことが可能です。
AIとの大きな違いは、botには学習能力がなく、事前に指定したタスクをひたすら繰り返すという点です。
指定外の作業は行わないため、たとえばチャットボットで想定外の質問をされたとき、AIのように自動で改善することも、臨機応変な対応をすることもできません。
しかし、決まったこと以外の作業をさせない、必要のないシステムであれば、AIよりも適したプログラムといっていいでしょう。
botの活用例
botの活躍の場は多岐にわたります。
たとば、検索エンジンの検索結果に反映させるためのデータベースの登録です。
人間の手作業で世界中のWebページを巡回して情報収集するには、膨大な時間と手間がかかるうえ、ほぼ不可能といっていいでしょう。
しかし、検索エンジンで利用されている「クローラー」というbotなら、10億以上あるといわれているWebページを自動巡回し、高速でデータベース化することが可能なのです。
ECサイトの価格調査にもbotが活用されています。
ECサイトには何百、何千という商品が掲載されており、その全ての価格を手作業で調査するのは時間がかかります。
このような作業もbotで自動化することで、人の手を煩わすことなく効率的に処理できます。
最近では、コールセンターや企業のヘルプデスクに、「よくある質問」を想定した会話パターンをプログラミングした、「チャットボット」を導入する企業も増えてきました。
身近なところでは、スマホのアラーム設定やリマインダー通知、天気予報の通知、SNSの自動ツイートなどもbotを利用しています。
botの活用で得られる4つのメリット
botのメリットは主に次の4つです。
● 業務を効率化し人的コストを削減できる
● 手軽に利用できることで顧客との接点が増える
● 迅速な対応による顧客満足度の向上
● さまざまなジャンルのデータを大量収集しマーケティングに役立てられる
botで自動処理化することで、手間や時間のかかる作業の効率化を実現し、人件費削減につなげます。
チャットボットは24時間365日稼働できるため、営業時間外の問い合わせにも迅速に対応できます。人手や残業を増やすことなく多くの問い合わせを処理できるため、顧客満足度の向上にも貢献します。
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)とは、ホワイトカラーがパソコンを使って行っている事務作業を自動化するシステム、およびその概念を指します。
「指定した定型作業を自動処理する」という点においては、botと共通しています。
しかし、開発にあたってプログラミングの知識が必要なbotに対し、RPAは
普段行っている作業や手順を、コマンドに沿って操作するだけで覚えさせることができます。
また、RPAが処理する作業は、文字入力やクリック、ウィンドウやタブの切替といった単純作業で、AIのように大量の学習データを必要としません。
プログラマーやエンジニアの手を借りず、業務担当者が設定できるため、導入ハードルが低いところが特徴です。
RPAの活用例
RPAは、社内のさまざまな定型作業の自動化に活用されています。
たとえば、従業員から提出される交通費精算書のチェックです。
最適なルートでの交通費が申請されているかの確認や本人への報告、修正がある場合の再チェックや印刷処理といった一連の作業を全て自動処理できます。総務や経理部の従業員はほかの業務に時間を充てられるうえ、目視によるヒューマンエラーを防ぐこともできます。
このほか、請求書や指示書の作成、発注・受注管理、在庫状況確認などのホワイトカラー業務を代行し、効率化や人手不足の解消に役立てられています。
RPAの活用で得られる3つのメリット
RPAを導入することのメリットとしては、
● 導入にかかる手間やコストが低い
● 人間よりも精度の高い事務処理ができる
● 定型作業を軽減しコア業務へのリソースを増やせる
PRAは設定されたデータ入力などの事務作業を正確に処理するため、ヒューマンエラーを防ぐことができます。
また、RPAが社内の単純作業を代行することで、会社の収益につながる業務に費やす時間を増やせるため、業務効率化や人手不足の解消、人件費削減などの効果が期待できます。
シチュエーションや課題ごとに適した業務効率化
業務効率化を成功させるには、シチュエーションや課題ごとに適したシステムを導入する必要があります。
たとえば、人事業務の効率化を図りたい場合は、AIの導入がおすすめです。
人事評価やキャリア形成、採用のエントリーシートの審査にAIを活用することで、人事担当の業務を軽減できます。
Webページの「よくある質問」ページなどで、顧客の検索ニーズに合わせた誘導をしたい場合は、FAQページとしてチャットボットを導入しましょう。
ユーザーは余計な巡回をすることなく、自分が知りたい情報を簡単に知ることができます。
営業活動情報の集計や情報共有の自動化には、RPAの導入が最適です。
担当者ごとの活動情報の集計や、実績をメール配信して情報共有するなど、パソコン上で完結する作業は全てRPAで自動処理できます。
AI・bot・RPAの特徴を把握し自社に合った業務効率化を図る
業務効率化によって自社の働き方を改革するためには、AI・bot・RPAの違いや、それぞれの特徴を把握する必要があります。
そして、現在抱えている課題や目的に適したシステムやツールを導入することが大切です。
人的コストの削減や、従業員の満足度向上、顧客満足度の向上を目指しましょう。
よくある質問
- RPAを活用することでどのようなメリットがありますか?
- 定型作業の軽減だけでなく、人間よりも制度の高い事務処理が出来る事が挙げられます。
- AI学習にはどのような方法がありますか?
- 「機械学習」と「ディープラーニング」の2種類の方法があります。