近年導入する企業が増えているのが、チャットサポート。チャットサポートは、業務効率化や顧客満足度の向上、売上アップなどを促進するツールとして注目を浴びています。利用を検討する人は、メリットやデメリットなどをよく理解してから導入を決めたいところでしょう。
今回は、チャットサポートの概要や電話サポートとの違い、メリット、デメリットなどを詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。
チャットサポートとは?
チャットサポートは、24時間365日顧客対応ができるツールです。まずは、チャットサポートの概要を詳しく見ていきましょう。
自動で質問に回答する
チャットサポートは、チャットシステムを使い、お客様の疑問や相談に自動回答します。従来のカスタマーサポートでは、お客様が電話やメールで問い合わせを行い、それに対応するのが一般的でした。しかし、電話がすぐにつながらないことや2、3日経ってからメールを返信するケースなどもあり、お客様の問い合わせに即座に対応できないという不便さがありました。
その点、チャットサポートは、リアルタイムですぐに対応するため、お客様の悩みをその場で解消できます。現在は、顧客満足度の向上や業務効率化に向けた有益なツールとして、商品やサービスのカスタマーサポートや社内のカスタマーシステムなど多くの場所で導入されています。
チャットサポートの種類
AI搭載型、シナリオ型、有人対応型、ハイブリット型の4種類に分けられるのがチャットサポート。AI搭載型とシナリオ型は、どちらも人工知能によるチャットボットを搭載。シナリオ型が事前に登録した内容をもとに回答するのに対し、AI搭載型は入力された文章を細かく解析した結果、的確な返答をするなどより精度の高い回答ができます。料金設定は、シナリオ型に比べてAI搭載型のほうが高くなっています。
有人対応型やハイブリット型は、オペレーターを配置。オペレーターによる的確で柔軟な対応が魅力ですが、その分人件費が多くかかるのが難点。また、迅速で分かりやすく、丁寧な表現が文章で求められるため、人によって能力の差が出やすいといったことも懸念されます。
チャットサポートの種類 |
概要 |
AI搭載型 |
|
シナリオ型 |
|
有人対応型 |
|
ハイブリット型 |
|
チャットサポートの導入方法
チャットサポートの主な導入方法には、以下の2点があります。自社開発は費用面の節約になることも多いですが、その分、開発までに多くの時間を要することも少なくありません。また、ツールのような利便性の高いチャットサポートを作るのは簡単ではなく、一筋縄でいかないことも多いといえます。開発後も膨大な顧客情報の管理に努めなければならず、都度発生するシステム障害にも自社で対応しなければなりません。プログラムの作成にかかる時間や労力を考慮すると、ツールを導入するほうがメリットが多い側面もあります。
- 自社で開発を行う
プログラマーによる開発。セキュリティ面を強固にし、CRM機能を兼ね備えたチャットシステムを構築する必要があるため、膨大な時間を要することも。
- ツールを導入する
社内にプログラマーがいない場合などは、チャットサポートツールを導入するのがおすすめ。ツールの導入方法は登録IDを発行し、自社サイトにタグを配置するなどシンプルなものも多い。専門的知識も不要で、初心者も安心して利用することが可能。
電話サポートとの違い
チャットサポートと電話サポートにはどのような違いがあるのでしょうか? ここでは、電話サポートとの違いについて詳しく解説します。
自動応答ができる
電話サポートとの大きな違いは、自動応答ができることです。電話サポートは、基本的にオペレーターがいない場合、対応することができません。その間の問い合わせは一旦中断されるため、顧客がストレスを抱えてしまうといったことが懸念されます。
その点、チャットサポートは、24時間365日自動応答が可能なため、顧客からのお問い合わせを中断することなく、継続的なサポートができます。
意図するページに誘導しやすい
電話サポートでは、オペレーターが顧客の質問や相談に柔軟に対応。しかし、その一方で音声のみの対応はオペレーターの力量によるところが大きく、顧客満足度につながりにくいこともあります。また、話しが逸れる場合もあり、企業の意図する方向に誘導しづらいといった側面もあります。チャットサポートは、自動応答による回答を行い、テキストだけでなく、画像やリンクを用いるなどさまざまな手段で情報を伝えることが可能。電話サポートのように大きく方向感覚がずれることがなく、顧客を意図するページに誘導しやすくなります。
オペレーター1人で顧客2〜3人を一度に対応できる
チャットサポートでは、1人のオペレーターで電話サポートの2~3倍の問い合わせを裁くことが可能。よくあるお問い合わせ内容はAIによる自動応答を行うことで、一度に複数件の対応ができます。また、複雑な問い合わせには有人型やハイブリット型で対応しますが、テキスト入力によるサポートのため、こちらも一度に2~3件など数件の問い合わせを裁くことが可能です。
チャットサポートのメリット
チャットサポートを更に紐解くために、ここからはメリットを詳しく見ていきましょう。
よくある問い合わせを自動で捌いてくれる
チャットサポートは、質問内容や相談内容でよくある問い合わせを自動で捌いてくれます。全てのお問い合わせに電話やメールで対応するのは非常に効率が悪く、オペレーターの時間が足りないといったことが悩みとなる企業も多いでしょう。ここではチャットサポートによる自動応答のメリットを、以下の2つに挙げています。
人件費をカットできる
チャットサポートを利用すると、人件費の大幅なカットが見込めます。自動応答で一度に複数件の対応をすることで、オペレーターの配置人数を減らすことが可能です。簡単な質問や相談は自動応答で対応し、その後有人型のチャットサポートに切り替えるなど柔軟に対応することで、高い顧客満足度を維持しながら人件費の削減につなげられます。
問い合せのリソースを減らし、他の業務に時間を費やせる
自動応答により、問い合わせのリソースを減らすことで、他の業務に時間を費やせます。余った時間を新人育成業務や事務作業に充てるなど、企業の業務効率化に大きく役立ちます。
蓄積されたデータを改善に活かせる
チャットサポートで蓄積されたデータは、今後の改善に活かすことができます。チャットサポートはテキストベースのデータであるため、電話サポートのように音声データをわざわざテキストに起こす必要がありません。積み重ねたデータを検証、分析することで、商品やサービス、サポート体制の弱点を見つけ、品質や性能の向上に努められます。
お客様ごとの問い合わせ履歴や購入履歴をリアルタイムに把握できる
お客様のお問い合わせに対し、リアルタイムで履歴を確認できるのがチャットサポート。電話対応では、お客様のお問い合わせ履歴や購入履歴を遡ると、どうしてもある程度の時間を要することになり、その間お客様をお待たせすることになってしまいます。
その点チャットサポートは、履歴の検索によってすぐに内容を把握できるため、お客様を長い時間お待たせすることがありません。お客様の要望に合わせた回答を短時間で行えるため、問い合わせの質が大幅にUPします。
24時間待ち時間なく対応可能
チャットサポートは24時間、365日待ち時間なく対応することが可能です。お客様の中には夜間にお問い合わせをするといったこともあるでしょう。電話サポートでは夜間対応を行っていない場合がほとんどであり、夜間のサポートまで対応できないケースが多くなっています。その点、チャットサポートなら、夜間などオペレーターがいない時間帯も自動応答を行い、お問い合わせをしてくれたお客様を取りこぼすことなく対応できます。また、電話がなかなか繋がらないという顧客のストレスも軽減します。
サイト経由の売上・リード獲得UPにつながる
電話やメールよりも問い合わせのハードルが低いといえるのが、チャットサポート。チャットサポートでは、お客様の入力の手間を省き、クリック一つなどでスマートフォンやタブレット、PCなどから簡単に問い合わせができるため、サイト経由の売り上げアップやリード顧客の獲得に繋げられます。
「サービスや商品が気になる」と言うところで止まっている顧客に対し、サービスや商品の魅力をスピーディ、且つ、的確に伝えることができるため、これまでに接点のなかった顧客に効果的にアプローチすることが可能。また、サイト訪問者の疑問に答え、的確なページへ誘導することにより、コンバージョン率の改善が期待できます。
チャットサポートのデメリット
ここからは、チャットサポートのデメリットを紹介します。
チャットボットは種類が多いので、比較検討が必要
チャットボットを選ぶ場合、種類が多く、比較検討が必要です。機能性や価格、Service、サポート内容などはツール毎に異なります。特に料金プランの充実度やサポート体制の手厚さはツールによって大きく差が出る部分でもあるため、重視したいポイントになります。顧客満足度追求のためにも、機能性やコストパフォーマンス、サポート体制に優れたよりよいツールを選びたいところです。
尚、こちらの記事では、チャットボットの失敗事例や成功のポイントなどを記載しています。こちらもあわせてご覧ください。
チャットボット導入の失敗事例から学ぶ成功のポイント5選|ChatPlus
全ての質問に自動応答できない
チャットサポートは、全ての質問に自動応答できる訳ではありません。登録した質問や問題、回答を元にチャットボットが自動応答しますが、複雑で難解な質問は電話やメールによるサポートが必要になります。最初は自動応答を行い、段階的に有人型に切り替えるハイブリット型を利用するなど、柔軟な対応が求められます。
定型文を設定・入力する必要がある
チャットサポートツールを利用するには、サービスや商品に関する定型文を設定・入力しなければなりません。最初の設定こそ手間に感じる部分もありますが、一度設定すれば、チャットによる自動応答が可能になります。尚、チャットサポートで蓄積したデータを元に随時定型文を見直し、変更することで、よりよいサポートを提供することができます。
まとめ
チャットサポートは、よくあるお問い合わせを自動で捌き、サイト経由の売上アップやリード顧客を獲得できるなど多くのメリットがあります。また、AI搭載型や有人型などチャットサポートツールの種類も豊富にあるため、自社のサービスや商品に合うものを選ぶことが大切です。
これを機会にチャットサポートを導入し、業務効率化や顧客満足度の向上に努めてはいかがでしょうか?